新築物件、改修物件ともに基本設計が進んでいます。

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基本設計では、ご要望に添ってデザインした計画案を見ながら、使い勝手について確認し合ったり、お客様が新しく気づいたことなどについて話し合います。

特に良くあることが、「やっぱりこうしたいのだけれど。」と言って、当初の案に近いアイデアを出されることです。その当時はそれが物足りなかったり、打ち合わせの際もっといいアイデアが浮かんでここまで変更を重ねてきたのですが、思考が一周してしまい、元の案に戻ってしまうのです。

基本設計段階での設計者の仕事は、お客様の頭の中を整理し、要望に優先順位をつけ、それに応じた設計プランを提示することです。このように一周したアイデアを出されるということは、まだお客様がご要望を整理できていないと言うこと。

コンセプトを示し一つ一つ積み重ねてきたのですが、このようなことになるのは、やはりお客様もいい物をつくろうと一生懸命考えているからです。「はい、わかりました」と堂々巡りに付き合うようではいけません。お客様のご要望はこのような案ではありませんか、と当初の案を見せこれまでのプロセスを説明することや、新しい住まいで最も大切なことはこういうことでしたよね、と最も重要なポイントをおさらいすると、「あ、そうだったね。」となることが多いです。

一見無駄のようにも見えますが、家造りについては基本設計段階のコミュニケーションが重要なプロセスであると考えます。これを繰り返し収束に向かっていけば、お客様にとっても納得の家となるはずです。

これが「家を買う」のではなく、「家をつくる」という事なのだと思います。

 

カテゴリー: architecture